2019年8月27日火曜日

Term 1(一学期)学生生活編

最後の投稿から5ヶ月も経ってしまった・・・。
今となってはもう、わたしの留学経験は
完全な「過去の物」「過去の栄光」になってしまいました・・・悲しみ。
記憶も薄れる一方!

ヨークの小道


前回、「Term 1(一学期)生活準備編」では
新学期開始前の生活用品集めについて書きました。
(まだ学校始まってないっていう!)

これからは、学校生活について書きたいと思います。

大学パーカー買った。

わたしのコースでは、
二つの必須科目と、一つの選択科目がありました。

一学期の必須科目は、

教育学部大学院生として調査・研究のための知識・手法を学ぶ
「Research Method in Education」と

シティズンシップ教育コースとしてその専門内容を学ぶ
「Citizenship Education」の二つで、

選択科目は教育学部全体から一つ選べたので、

わたしは「Motivation in Education」という
教育という場面におけるモチベーションの理論などについてを学ぶ科目にしました。


よく家族や友達に
「当然だけど、英語で授業やるんでしょ?」と言われていたのですが、
そうです、英語です。(笑)

わたしもコースが始まるまで、とっても不安でした。
リスニングは苦手ではありませんでしたが、
それでも講義となると話は別で、長い時間英語の話を聞いてられるのか、
ついていけるのか、など恐怖心がありました。

でも実際、コースが始まってみて思ったのは、
意外と理解できる、ということでした。

その理由は、

教育学部は留学生がわんさかいる学部
(特に中国人をはじめとするアジア人が多数)だったので、
先生方が身振り手振りゆっくり話したり
簡単な単語を選んで説明することに慣れていたこと、
(パワーポイントもシンプルでわかりやすかった)

また、おそらく欧米の大学では普通である
Pre-readingという予習が基本であったために
事前知識を持って授業に挑むことができていたこと

などが挙げられると思います。

ちなみに、
ネイティブ(イギリス人または英語話者)が大半の社会学部の授業に
先生の許可を取って参加してみたことがあるのですが、
話すスピードが全く異なり、
体験で参加したために予習教材がなかったことも合間って
さっぱり理解できませんでした。

教育学部で理解できていたために、
英語できるような気になっていたけど、
社会学部の授業で打ちのめされて帰ってきました。(笑)


さて、それぞれの授業の中身についてですが、

Research Method in Educationでやったことは、
つまりは統計学入門、という感じでした。

社会学部卒のわたしは、社会調査なんたらっていう授業で、
統計学やっているんです。10年弱前に。
でも、日本語であっても全く理解できず、
大学生だったわたしは、早々に統計学を諦め、
統計が必要なゼミを避け、卒業論文すら書かずに卒業したという
怠惰な過去があります。
(代わりに、社会学部の中では異質な英語翻訳のゼミに属し、
日本で翻訳されていない絵本を翻訳して卒業制作とし、学位をもらいました・・・)

そしていざまた、過去に理解できなかった統計を、英語で、学ぶというのは
わたしにとって苦行でした。

授業も、基礎知識といろんな統計手法を
まんべんなくさらっていくという感じだったので、
やっぱりわからなかった。

そこでわたしは、日本語で統計学の基本知識をネット検索して復習したり、
またここも大学の素晴らしいところだと思ったのですが、
統計学の無料講座を数回にわたって開講していたので、
それにも参加して学び直しました。

それでもわからないところは、
日本人の統計に強いクラスメイトに教えを請いて助けてもらっていました。

のちにまた書きますが、
結局、わたしの修士論文では統計は使いませんでした。(笑)

その代わり、他の調査手法
(質的調査・インタビューと、主題分析 Thematic Analysis)を使いました。


二つ目の科目、Citizenship Educationでは、
citizenという言葉の意味、権利と義務の関係など、定義やその歴史を
古代ギリシャの時代から遡って学びました。

先生が積極的にわたしたち学生に意見を言わせ、
誰かの発言に対しても意見をさせるという授業のスタイルは、
日本にはなかなかないので、面白いと感じました。

ただ、この授業を受けてわたしが強く感じたのは、
意見をさせたはいいけど、議論にまで発展させるわけではなく、
意見を言ったらそれで終わり、みたいなところがあって
あまり知的好奇心が満たされなかったということと、

自分自身、欧米への憧れみたいなものがあったし、
いまだにどこか惹かれている部分があるのは否めないのだけれども、
citizenship educationという概念が非常に欧米中心的な考えであり、

アジアならアジアなりの、特に東アジアは儒教の発展とともに、
citizenの訳にあたる「市民」としてのその国での在り方が定義されているにも関わらず、
それをやんわりと批判しているような雰囲気に反発を覚えました。

文献を見ても、
「いろんなcitizenship educationが世界にはあるよね〜(でも欧米でのあり方が正しいけど)」
のような感じが見受けられるような気がして(わたしの被害妄想?)、
世の中にはびこる欧米中心主義的思想がここにもあるのか、
みたいに感じたのを覚えています。

そこまで思うなら、イギリスの大学行くなよって感じですけど。(笑)

だから、一学期の終わりの論文課題では、
日本のシティズンシップ教育の歴史の説明と、
欧米的シティズンシップ教育は日本にはそのまま適用できない、
というようなことを書いて出しました。

図書館にある参考文献

選択科目の、Motivation in Educationでは、
モチベーションにおけるいろんな理論を主に学びました。

授業では、読んできたモチベーションの理論について
自分自身の経験や感じ方を例に挙げてみんなで話し合うスタイルで、
授業内はあんまり発言者がいなくて盛り上がらなかった
(アジア人が大半で、みんな発言しなかった)けど、
先生が愉快なおばちゃん先生で、
楽しくはないけど苦ではない、みたいな感じでした。(笑)

でも、「モチベーションの授業を受けるモチベーションがない」って
いつもわたしは言っていたような気がします・・・。

先に書いたCitizenship Educationの授業のように、
学期の終わりに論文課題がこの科目でもありましたが、
実は、わたしを今後ものすごく悩ませたのはこの科目でした。

図書館の学習スペース

一学期は、10週間ほどの授業で終わってしまうのですが、
その後、冬休みになり、
冬休み明け一週目くらいの時期に論文課題の提出締め切りとなります。

一学期はResearch Method in Educationの授業の理解度テストもあり、
約1ヶ月の冬休みの間に、4000単語以上の論文を二科目分と、
統計学のテストの準備をしなければならず、
なにもかもが初めてのわたしにとっては、とても大変な時期でした。

それにもかかわらず、
本場イギリスでの初めてのクリスマスということもあり、
学期終了後〜クリスマス前まで頑張ってきたのに、
クリスマスから年末年始までの間、つい舞い上がって遊んでしまって、

Motivation in Educationの課題のテーマもまともに決められないまま、
(そもそもモチベーション理論に興味が持てなかったのと、
先生にテーマを相談してもあまり参考になるアドバイスをもらえなかったこともあり、
いろいろロスタイムになった)
年明け数日間でテーマを最終決定して論文を書き始めるはめになってしまいました。

クリスマスのロンドン(ハロッズ?)

急いで書き上げた結果、
テーマの選定があまり適切でないものになってしまったこと、
文献の引用の仕方に間違いがあったことなどから、
成績も驚くほど悪く、ひどく反省した科目でした。

このために、学位の成績が出るときまで終始ヒヤヒヤすることとなりました。
これから留学する人は、わたしみたいにならないように気をつけてくださいね。。。


ただし、悪いことばかりではなく、
Citizenship Educationでは反発的な内容の論文にしたけれども合格ラインの成績をもらえ、
Research Method in Educationのテストもなんとか合格ライン上だったので、
一学期は乗り越えた、という感じでした。

また、Motivation in Educationでの反省を生かして、
二学期の課題でかなりの巻き返しを起こしました。

人生で一番勉強した二学期(4月)でした。それはまた次のブログで。


そして何より、成績の結果はどうであれ、
4000単語×二科目の論文を書いたという経験が
わたしの中で大きな自信につながった一学期でもありました。
論文を書くために、100個程度の文献も読んだというのも達成感になりました。
論文が、一つの作品、という感じでした。

提出した論文課題

・・・とわたしのヨークでの一学期はこんな感じで終わりました。

次の二学期編では、どう巻き返しを図ったのかについて書きたいと思います。